2016/01/19

Careでお伺いの、コーギーのりんちゃん。
耳がだいぶ遠くなり、玄関のチャイムで吠えることがなくなってきました。
飼主さんいわく、そばに行っても気づかないこともあるとのこと。
加齢ということを思えば、まぁ自然の摂理ですね…。
当方宅のクレアもずいぶん耳が遠くなりました。都合よく聞こえないフリすることも増えましたが(笑)
先日の研究会で、りんちゃんたちのケースをお話しさせてもらったことを伝えました。
そのときに、「治らないとわかっていてCareをする重要性をどう伝えればいいのか…」という話が出たのだということもお伝えしました。
わたしの考えも聴いてくださったうえで、飼主さんからの回答があり、わたしも「そうですよねぇ」と深くうなずいてしまいました。
りんちゃんは後肢がもう立てないので、排せつをするとき、お尻を汚してしまいます。
ですので1日のうちに何度か、お尻をお湯で洗い、拭き、ドライヤーで乾かし、ということをしているわけです。
個人的にも本当に頭が下がるくらい、よくお世話されているなと思う飼主さんです。
ここまでの状態の仔で、褥瘡(床ずれ)など皆無! しかも床ずれ防止用のお布団もそれほど使っていないのです。(これはりんちゃんが壊して、そのうえ食べてしまうので、やわらかいところやあたたかいところで寝かせたくても寝かせられないという状態のため)
そのとき飼主さんがおっしゃったのが、「元気だったら、お尻を毎回洗わせてなんかもらえない。でもこういう状態になって、お尻洗ったり、乾かしたりしていくうちに、りんちゃんが気持ちよさそうにしてくれるんです」ということ。
それをにこにこ、嬉しそうに、あったかい笑顔でお話しされる飼主さんを素敵だなぁって感じました。
元気に走り回っていたころに比べて、かえって飼主さんにお世話してもらい、そこに心地よさを見出してくれているりんちゃんと、そしてそれをちゃんと受け止め、理解してくれ、「気持ちよさそうにしてくれてよかったな~」って素直に思える飼主さん。
このプラスのスパイラルが生まれたのも、もしかしたらこういう状態になったからかもしれませんね。
もちろん、介護は半端な気持ちではできないでしょう。
時間を気にしながら自分の用を済ませ、Wanにトイレをさせたり、お風呂にいれたり、状態が良くなくなったら病院に連れて行ったり……
でも「わたししかやる人いないんだから仕方ないじゃない」というネガティブなだけの気持ちでするよりも、どこかで「ああ、よかったな。この仔が嬉しそうだな」と思えたら、それがモチベーションになるとわたしは思うのです。
りんちゃんが抱えている持病は、だんだん体が動けなくなってしまうもの。
そしてこの犬種に好発しやすいもの。
そこにもってきてコーギーは、比較的、口がやさしくない!(笑)
動けなくなっていくことで苛々し、怒りっぽくなり、場合によってはかみついてしまったり…。
そうすると飼主さんは噛まれたくないですから、やはり手を引き気味になってしまいます。
Wanが自分でもう動けなくなっても、イライラして噛むようであれば、こちらも十分なことができず、やきもきしながらになってしまいます。
その動けないストレス、イライラする気持ちを、Careを通して体を動かしたり、精神的にも、肉体的にも心地よく疲れてもらうこと、リラックスできるようにサポートすることができます。
Wanがギリギリまで自分の意思で動き、食べ、トイレができるように、おだやかに過ごせるようにするためにもやはりCareは必要。
Wanができることは、できるだけやらせる。
少し待つこと。そのゆとりを持つこと。
Wanのモチベーションをあげていくものはなにか、楽しませられるものはなにか、より深く、よりいい関係を築く、その一助にCareなり、リハビリはあると思うのです。
最期はだれにでもあります。
そのなかで、苦しんで逝けばいい、なんて思わないものです。
おだやかに、ゆるやかに、幸せだったなぁ、楽しかったなぁって思い、眠ってほしい…そう思うものです。
リハビリ的な観点でいえば、たくさんあります。
動かないことでどんどん閉じて行ってしまう神経を刺激して、そうすることで進行をゆるやかにしていくなど、その観点では言えることはたくさんあります。
でもメンタル的ににいえば、飼主さんとWanの関係をより豊かにし、一緒に歩んでいく、その一助として、Careは非常に有効的な手段なのだとわたしは思うのです。
病気であれば、どういう状況になるのかがおぼろげでも見えていること。
そのために自分が今、なにができるのか、そしてできないのか分かるということ。
冷静に判断するチャンスをもらえるのです。りんちゃんの持病も、そうです。
りんちゃんの飼主さんの、「ああ、よかった」「りんちゃんが気持ちよさそうで嬉しい」と思えるような、そんなやさしい、ほっこりした時間をたくさん、たくさん作ってもらいたいと思うのです。
できなくなることばかりに目を向けるのではなく、いまこのときを、どれだけ大事に過ごすか……積極的なアプローチとしてのCareは飼主さんが、そしてわたしたちができることでもあるのです。
りんちゃんの、進行度は、わたしの目には今現在、停止に近いくらい現状維持を保てています。今日など、前回よりももっと元気にさえ感じたくらい!
飼主さんの気持ちが前向きだからこそ、りんちゃんもきっと前向き♪
そんなことを思った今日でした。
取り留めもない長話になりましたが、同志の方々の悩みにもエール送れたらいいなと思い、ちょっと語らせてもらっちゃいました♪
そして、いいお話を、いい関係を築いてくださっているりんちゃんと、りんちゃんママ。どうもありがとうございました!

最後はお決まりの、「おせんべゲット」ゲーム(笑)
りんちゃん、本日も本気で頑張って、おせんべすべてGet♪
りんちゃん、がんばり屋さん♪
よく頑張ったね! でも次回もまたやるよっ!