2011/06/25
カウンセリングでお邪魔したお宅がありました。
咬むということでお邪魔したのですが、その問題だけを直して欲しいというようなご様子。
人の目からみえる「問題行動」は決して単純な問題ではありません。
水面下で複雑にからみあい、いろいろなことに起因しているケースがほとんどです。
飼主さんが変わらなければ、犬は変わりません。
犬に「咬まなければいい」というそれだけを伝えることはできません。
飼主さんご自身が伝え方を知らないのですから、それだけを、ということにはならないのです。
もちろん、そのたびに殴るなどの体罰を与えれば、咬むという問題をやめさせることはできるかもしれません。
でもそれは正しい理解ではなく、恐怖のために今はしないでおこうと、回避しただけであり、なぜしてはいけないのかまでは、犬には分かりません。
そして怖いのは、咬まなくなったかもしれないかわりに、その弊害はほかにしわ寄せとなって出てしまうということです。そうなるともう「咬む」というひとつだけではすまなくなります。
だからこそ、犬とのコミュニケーションをとるのに、伝え方を飼主さんが知らなければならないのです。
トレーナーはその伝え方を、トレーニングを通して、犬にも飼主さんにもわかりやすくお話しして、からだで覚えてもらうために、レッスンをおこなっています。
犬は決しておもちゃではありません。
かわいい、かわいいとだけで飼っておしまい、というものではありません。
ともに生活するのですから、犬への敬意を払ってほしいのです。
かれらはおもちゃではなく、人にとって都合のいい存在ではないのです。
それは教育をすることによって、その犬たちの真価はでるものです。
そうすれば犬との生活はもっと楽しく、Happyにあふれるだろうと、そう信じています。
きちんと、人間社会に生きる動物として、そしてその飼主として、節度ある行動、モラルを大切にしていってほしいものですね。