2009/01/09
無事、シェパちゃんお帰りです。
久し振りでしたので、いろいろお話しして、気づけば…な時間になってしまいました。
長居してしまって、ごめんなさい。
その話の中で、ぽんと出たこと。
「普通の犬って、どんな犬なのでしょうね?」
そのひと、その家庭に、事情により、「普通」は大きく差異がが出てくるかと思いますが、わたしの思う「普通の犬」は「マナーの入った犬」だと思います。
すなわち、社会に迷惑をかけない犬、できることなら、「あら、Wanちゃん居たの?」と思われるような犬。
吠えひとつとっても、「うちは番犬だから」と思う方もいるでしょう。
インターホンが鳴って吠えたのを「無駄吠えのひとつ」ととらえる方もいるでしょう。
どちらも間違いではないでしょうし、正解ははっきり言うとないのかもしれません。
だからこそ、「社会」に迷惑かけない犬が、普通なのではないでしょうか。
その地域地域によって、ご近所、環境などで、営まれる「社会」はちがうわけで、そのなかで「迷惑をかけない」ことなのではないでしょうか。
吠えてもらったほうが助かる、という地域もあるでしょうし、家族もあるでしょう。
ひとことも声を出さないでもらいたいという環境もあるでしょうし、そういう方もいるでしょう。
だからこそ、ひとりでかかえこまず、犬のみならず、周りの方々と気持ちよく生活するために、人同士のコミュニケーションも大事になってくるのではないかなぁと思います。
あるお宅で、とても番犬吠えをするWanがおりました。
ご近所の方に、飼主さんはいつも「ごめんなさいね」と伝えますが、そのご近所さんもご高齢で耳が遠いため、吠えてもらうと誰かがいるらしいということに気付けて助かっている、犬がいなかったときは泥棒に入られたが、この家に犬が来てから、泥棒に入られることもなくなり、逆に助かっているのだ、とお話しくださったそうです。
もちろんそれだけを鵜呑みにはせず、飼主さんも時折ちょっとしたお詫びの気持ちをお贈りしているようです。
ここに、相互のコミュニケーションがあるからこそ、こじれずに済んでおり、「吠える」ということが「助けられている」ということになっているわけです。もちろんご近所さんの言葉にあまえていない飼主さんもすばらしいのですけれどね。
ですから、普通の犬ってどんな犬なのか、という問いにわたしが「社会に迷惑をかけない犬」と答える裏にはこういった理由もあります。
マニュアル通りの、型にはまったいい子が「マナーのいい犬」というわけではなく、あくまでその犬と飼主さんをとりまく地域社会によって、トレーニングする内容が変わってくるのです。
だからこそ、家庭犬のトレーニングは奥が深いですし、同時に、とても楽しいものなのです。
それぞれの家によって、トレーニング内容が変わるひとつの理由でもあります。
もちろんこのわたしの考えに「異」があってもかまわないと思います。
それはそれで正しいと思いますし、わたしのこの考え方だけが正しいわけではありません。
ですが、こういった話をし、さまざまな話を伺い、それぞれの状況、環境のもとで、飼主さんとともに悩み、「この場合は、こうしたほうがいいでしょうね」と相談しながら、トレーニングをさせていただけて、わたしは幸せだなぁと思いますよ。
今年もこの気持ちを大事に、頑張ろう! そう思えた日でした。