2008/07/27
自分の犬が、社会に役立つ犬になってほしい…。
そうお話しされた方がいらっしゃいます。
社会に役立つ犬ってどんな犬なのでしょうね。
警察犬。
災害救助犬。
盲導犬や聴導犬などのような補助犬。
麻薬探知犬。
アニマルセラピーなどに従事する犬、などなど。
一般的には上述の犬たちが、「社会に役立つ犬」なのかもしれません。
すばらしいことにはちがいありません。
でも、その称号だけ、というケースもなくはないのです。
作業はできても、マナーは全然…ということもあるくらいなのです。
わたしは、家庭犬トレーナーですから、家庭犬のスタンスで考えますと、「人間社会に溶け込み、受け容れてもらえるような犬」が、家庭犬として、社会に役立つ犬だと思います。
もっとわかりやすく言ってしまいますと、マナーが入り、周囲に迷惑をかけない犬、きちんとコントロールできる飼主であること、だと思います。
極端に言ってしまえば、犬が苦手な方、犬への恐怖を持っている方々にさえも受け容れてもらえるようなWanが、家庭犬として、最高のWanと思うのです。
ですからわたしのトレーニングには、「犬が苦手な方々への配慮」が根っこあります。
犬が苦手な方は、側を通られるのも怖いし、顔を向けられるのも怖い、飛びつかれるなんてもってのほか、においだって嗅ぎたくないですし、毛が飛び散っていたらそれも不快。
それを理解し、受け容れることも大切なことです。
これだけドッグカフェやドッグランがあり、犬と一緒に行動できる範囲が広くなると、犬を連れ歩くのは当たり前…と犬飼いたちは思いがちです。
もっと行き過ぎてしまうと、「犬が嫌いなら、嫌いな人のほうが、こなければいい」となってしまう方もいらっしゃるとのこと。
それは犬飼い側のマナーの悪さを指摘せざるを得ない状態ですが、こういった認識がかえって、犬好き派、犬嫌い派の溝を深くしてしまっている一因ともなっていることは、否めません。
「わたし、犬はダメだけど、あなたのところのWanちゃんなお利巧だから、大丈夫!」
そんなふうに犬が苦手な方に言われたら、嬉しいと思いませんか?
わたしは、時々、「シェパードというと怖くて触れないイメージがあるけれど、クレアなら大丈夫」といわれます。もちろん、一飼主として、とっても嬉しいひとこと。
シェパードだって可愛いんですよ、と親バカな気持ちがちらり…出てしまうくらいに(笑)
犬飼いひとりひとりが、少し気をつけるだけで、「あ、この飼主さんとWanちゃんなら大丈夫だわ」と思ってもらえるようにすること。
それも立派に「社会に役立つ犬」だとわたしは思います。
犬嫌いな人に受け容れてもらえれば、もっと犬を連れ歩いてもOKな範囲が広がってくるのですから。
ひとりひとりの心がけ。
それがひいては、自分と、自分のWanのためにもなると思います。
みなさまはどう思われますか?